

デザイナーの木村浩一郎さんは、日本古来の製法である漆を使った食器や家具にスワロフスキーを大胆にあしらった作品や、総金箔でピラミッド型の重箱を発表するなど、アヴァンギャルドな作風で知られる。
その作品は国内はもちろん、海外で高く評価され、ニューヨーク近代美術館やロンドンのハロッズなどの目利きバイヤーから注文を受けるなどワールドワイドな活動を続けている。
仙台にある実家は隣が家業の漆工場でした。ですから、子どもの頃から見よう見まねで漆の塗り方を職人さんから教わったりしていましたね![]()
漆工場を取り仕切っていたのは木村さんの母親。隣とはいえ、日中は工場に詰めていた関係でもっぱら幼少期は祖父と話すことが多かったという。
大正モダンボーイで、いつも3 ピースのスーツを着て、ベストのポケットには懐中時計をしのばせていました。祖父は美術品収集が趣味だったので、1 階の応接間には、著名な絵や置物がいくつも飾られていました。
子どもながらにそれを見ては、芸術ってすごいなと思っていました![]()
学生時代はパンク音楽に熱中。そして大学卒業後は、ファッションデザイナーを目指していた木村さんだが、就職先と考えていたアパレル企業の面接担当者に言われたコトバで「漆」に目覚めることに。
君にしかできないことをするのがいいんじゃないかな?と面接担当者に言われたんです。それまでは家業である漆器なんて古くて、伝統にがんじがらめになっていると思いこんでいたのです。でも、その一言を聞いて、伝統があるからこそ、新しいことに挑戦できるんではないかと考えたんです![]()
東京の老舗漆器店で本人いわく「丁稚奉公」として3 年間漆の基礎を勉強したあとに、木村さんは生まれ育った仙台に帰郷。数々の国内外コンペに従来にない漆器で、作品を発表する。
母親からは『人がやれないことをやれ!迷うな!』とよく言われましたね。
それがすごく励みになったし、作品を作るうえでのパワーにもつながった気がしています。今でも、中途半端な伝統的なモノなら作らないほうがいい、と常に自分を戒めているんです。![]()
木村さんに描いてもらった実家の間取り。玄関を出ると、漆の匂いがぷんと漂ったそう。2 階の自室には、高校時代は友人が集まり、バンド演奏に明け暮れた。

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きむら・こういちろう● 1963 年、仙台市生まれ。東北学院大学卒業後、ファッションデザイナーを志すが、「自分にしかできないこと」を考えて、家業を継いで漆器の道へ。その後漆塗りをベースにした家具やテーブルウエアで国内のみならず、海外からも注目を集める。最新作に東京ミッドタウンにあるショップ「リステア」に飾られた三面鏡などがある。http://www.love-international.jp/










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