トップランナーを育んだ家 秀でた才能を発揮する人がいる。彼らは幼い頃、どんな家に住んで、どんな暮らしをしていたのだろうか。そんな人が育つ家・暮らしをたずねてみた。

episode.3  藤澤ノリマサさん(歌手)自分の根っこを思い出す、帰る家があるって、幸せですね。

だれもが聞き覚えのあるオペラの曲をクラシックの発声法で朗々と歌い上げている......と思ったら一転、今度は軽やかなポップスの歌声--。1曲の中で「オペラ」と「ポップス」を融合させ、新たなジャンルを切り開く、注目の新人歌手、藤澤ノリマサさん。  実家は北海道札幌。父親は声楽家、母親は歌の先生。そんな両親をもつ藤澤さんの家には、幼い頃からいつも歌声が響いていた。カンツォーネが好きな父の「サンタ・ルチア」、母は石川さゆりさんや坂本冬美さんの演歌、そしてノリマサ少年は、高橋真梨子さんや五輪真弓さん......。
  歌手になりたい! と思ったのは、忘れもしない、両親の部屋でテレビを見ていたときだった。

「小学校1年のときでした。ジュディ・オングさんの『魅せられて』を聞いたとき、僕も絶対に歌手になりたい!と思ったんです

 歌い手に憧れ、自然と母親から歌を習うようになった。父親は「親子だと甘えが出てしまう」と教えようとはしなかった。自分の部屋では電子ピアノで、よく発声練習をしていた。1階の和室には、ちょっと苦い思い出がある。

「僕は、親が勝手に応募したのがきっかけでカラオケ大会などにもときどき出場していたのですが、両親は音楽に関してはすごく厳しかった。出来がよくないと、"和室に来なさい"と呼ばれて正座。"あの歌い方はよ
くない""
なにを考えて歌ってたのか"って

  歌手への道に迷いはなかった藤澤さんだが、ポップスかクラシックか、で悩んでいた。その答えをくれたのは、セリーヌ・ディオンとアンドレア・ボチェリ。ジャンルの違うふたりが競演しているのを聴いて、「これだ! これをひとりでやってみよう」と閃いたのだ。そのためには、クラシックの勉強が足りない、と音楽大学行きを父親に相談すると、即座に賛成して受験のアドバイスをしてくれた。
ひとり息子の歌手活動を全面的に応援してくれている両親。いまもライブを見に来ては、「あそこがよくない」とダメだしをする。

「ちょっとうるさいときも(笑)。でも、たまに家に帰るとほっとします。忘れかけている根っこを思いださせてくれて、また新たな気持ちになれるんです。帰る家があるって、いいですね

思い出が詰まった北海道札幌市の家。今もときどき帰るが、玄関で14歳になる犬のエニちゃんが出迎えてくれる。「なぜか僕の靴だけ噛むんです」。上京して7年。自分の部屋は、しだいに物置に。
「居間のテーブルの上に、いつも麦茶があったのも、思い出します」。

profile

ふじさわ・のりまさ●11983年、北海道札幌市生まれ。魚座、血液型はAB型。武蔵野音楽大学入学のため、上京。卒業後は、ソロアーティストとして活動。
2008年4月『ダッタン人の踊り』でデビュー、8月『VINCEROービンチェロ』発売。
www.fujisawanorimasa.net

藤澤ノリマサさんのお話はママDo!本誌で詳しくご紹介しています。

  • お近くの住宅展示場を検索
  • ママDo! 無料配布&メルマガのお申込み