

CDをリリースして東京へ移る17歳まで、アルパ奏者の上松美香さんは長野県の安曇野で演奏活動をしていた。ユニット名は、ロス・ビエントス・ベルデス。「緑の風」という意味。ご両親とのトリオ編成だった。
父がギターで、母と私がアルパです。結婚式や学園祭で演奏していました。パーティーが多いクリスマスシーズンは大忙し。一日に5本演奏する日もあったほどです。長野県内はもちろん、東北地方まで遠征したんですよ
父親は楽器の販売も行っていたので、自宅にはいつも20台ほどのアルパがあり、家じゅうで音楽が鳴っていた。
兄が作曲の仕事をしていて、家族4人全員が音楽にかかわっているんですよ。昼間の練習は自分の部屋でしたけれど、食事の後にはリビングで毎日のように家族での演奏会です。1階から2階へと吹きぬけになっていて、音の響きは抜群でした。壁には大きな鏡があって、演奏する自分の姿全体が映ります。それで、親子で演奏する表情もチェックし合っていました
13歳のとき、上松さんは南米パラグアイへ母親と出かけている。アルパの本場で、演奏を学ぶためだ。そして帰国後も、パラグアイで出会った先生を長野に呼んで指導を受けた。
先生に家に滞在してもらって、みっちりと教えていただきました。その3か月間は、上松家はまるで南米のような環境でした(笑)。週末はいつも庭でバーベキューを焼きながらの演奏会。お友達やご近所の人も招待して、食べて、飲んで、歌って。夜中まで大騒ぎでした。都会で暮らす方には信じられないかもしれませんけれど、10年前の安曇野では、そういう騒ぎもふつうにできたんですよ。近所のオバチャンとかも、上松さんち、また音楽をやってるかいねぇ、って、のぞきに来て、お肉をつまんで帰っていく。星空の下での音楽会です。楽しかったなー!
今は東京で暮らしている上松さんだが、それでも月に一度のペースで安曇野へ帰る。
「作曲をするのは実家です。私の部屋の正面が北アルプスで、雄大な景色を眺めていると頭の中に音楽が鳴り始めるんです」


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あげまつ・みか●1982年生まれ。13歳でアルパを始める。10代の頃は長野県を中心に親子でのトリオ、ロス・ビエントス・ベルデスで活動。2000年『INOCENCIA』でCDデビューする。『mika AGEMATSU』『ANIPA』などのアルバムを次々とリリース。最新作は『カヴァティナ』(7月23日発売予定・ユニバーサル ミュージック)。








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