ナオ・ハート

どこへ行こうと、持ち歩いているのは、カメラ。自己満足の一人遊びです。

松下奈緒 Nao Matsushita 1985年生まれ。兵庫県川西市出身。3歳からクラシックピアノをはじめ音大進学を経て女優に。現在はピアニスト、歌手と幅広く活動。

生は面白いなあ......なんて、私みたいな若輩者が言ったら、世の大人の方がたには、嗤われるかもしれませんけれど。でも、近頃つくづくそう思うんです。それは、人生には出会いがあって。その出会いによって、私という人間が少しずつだけど、確実に変わっていく気がするんです。その小さな出会いによって、昨日の私と今日の私は違う人間になっている。それが、とっても面白いなあと思うんです。
 別に大袈裟なことを言いたいわけじゃないんですけど、たとえば今日の夕方、綺麗な夕日を見て。
 その夕日を見た私と、見る前の私は、やっぱり違う人間になっているんじゃないかなあと。
 誰かと会って、他愛もない話をしても、その会話は心のどこかにしまい込まれているんですよ。
 話す前と話した後では、私はほんの少しだけですけど、違う人間になっている。そんな風にしても、人間は少しずつ変わっていくんだなぁと感じています。
 そんなことを考えるようになったのは、写真を撮るようになってからです。2年前、初めて出演した映画で、私は女性フォトグラファー役をしたんですが、役作りのために、カメラ(フィルム)を借りて、暇さえあれば操作の練習をしていました。プロのカメラマンが使うカメラは、私には大きくて重たくて、フィルム・チェンジすら上手くできませんでしたね。フィルムを巻くレバーを操作しているうちに、右手の親指が擦り傷だらけになったりもして。
 でも、いつの間にか私はそのゴツゴツしたキカイのとりこになってたんです。シャッターを押したときの乾いた金属音が、たまらなく好きなんです。
 私がそんなものに喜びを感じるなんて。カメラとの出会いもまた、私にとっては考えもしなかった素敵な出会いでした。

それ以来、私はどこへ出かけるときも、カメラとフィルムを持っていくようになりました。
 あれから撮った写真は、もう何千枚にもなります。
フィルムのカメラは、デジタル・カメラのようにその場で撮った写真を確認できない。同じ被写体を撮影しても、絞りを開けたり、シャッタースピードを変えるだけで、写真は別のものになる。目で感じる色と、フィルムに写る色は違う。自分の目で見た海の青さが、そのまま写真に焼き付けられるとは限らない。自分の拙い技術を駆使して、写真の仕上がりを想像しながらシャッターを切るんですけれど、それが私にはほんとうに楽しいんです。写真を撮ってから、現像するまで、ずっとワクワクしています。
 誰に見せるわけでもありませんが、自分がただ好きで撮っているんですよ。「いい写真が撮れたら、誰かに見せたくなりませんか」と聞かれることもあります。自分の撮った写真を誰かに見せるのは、自分の心の中を少し見られているような気がするんですよね。
 日々の小さな出会いによって少しずつ変化していく私という人間を見せているようで、とっても恥ずかしい自分がいますね。
 写真を撮るのは自己満足の一人遊び、至福の時間。
 思い描いた写真と違うこともよくありますが、時には自分が思ってもみなかったほど素敵な写真が撮れていることもあります。思った通りの写真が撮れていなくても、1枚1枚の写真には、かけがえのない出会いが切り取られているんですよ、私にとっては。旅から帰って、部屋で一人、現像した写真を見るのも、私の至福の時間なのです。

「新宿バルト9」「梅田ブルク7」など、全国で続々「チェスト!」旋風拡大中です。

映画「チェスト!」公開中

「チェスト!」とは鹿児島地方で、気合いを入れるときの「ガンバレ!」という意味のかけ声を意味します。カナヅチの主人公・隼人は、遠泳大会に強制参加にさせられることに。そんな中、思いも寄らない事件が発生して...。隼人が通う6年2組の担当教師で、学校のマドンナを演じるのが松下奈緒。主題歌「流れる雲よりもはやく」など音楽も担当します。感動的な生徒たちとの合奏のシーンに、こうご期待!

http://chesuto.com/

映画「砂時計」公開中

愛おしい過去も
悲しい過去も
12年の時を経て――
過去はいつか未来になる。

【イントロダクション】
杏・大悟・椎香・藤、幼なじみ四人の十数年に渡る初恋の行方を描いた大ヒットコミックス『砂時計』(小学館ベツコミフラワーコミックス刊)。シリーズ累計700万部を突破した芦原妃名子によるこの原作コミックスが、2007年のテレビドラマ化(TBS)を経て、いよいよスクリーンに登場します。今回の映画化では、ドラマとは異なる新たな傑作の誕生を目指し、キャスト・スタッフを一新。主人公・杏には、『未来予想図 ?ア・イ・シ・テ・ルのサイン?』(07年)が大ヒット、女優そしてピアニストとしても活躍の目覚しい、松下奈緒。そして杏の中高生時代は『天然コケッコー』(07年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、現在10代で最も輝く女優のひとり、夏帆が演じます。杏の幼なじみであり運命の恋人となる大悟役には、「パッチギ LOVE&PEACE」(07年)の熱演が記憶に新しい井坂俊哉と、ドラマ・映画に進境著しい池松壮亮(中高生時代)。脚本・監督を手掛けるのは『県庁の星』『春の雪』(ともに脚本)の佐藤信介。そして、映画の主題歌を2006年のデビュー以来、瑞々しいサウンドで人気急上昇中の「いきものがかり」が担当します。

【ストーリー】
14歳の水瀬杏(夏帆)は、母・美和子(戸田菜穂)と父・正弘(風間トオル)の離婚により母の実家・島根県に東京から移り住むことになった。
当初は田舎独特の雰囲気と祖母・美佐代(藤村志保)に馴染めなかった杏だったが、近所に住む同い年の大悟(池松壮亮)や藤(塚田健太)、藤の妹・椎香(岡本杏理)たちと出会い、少しずつ自分の居場所を見つけることができた。そんな中、人生に疲れ果ててしまった母・美和子が杏を残して自殺してしまう。悲しみと後悔に暮れる杏を大吾は「おれが、ずっと一緒におっちゃるけん」と力強く抱きしめるのだった...。
あれから12年。様々な出来事を経て、26歳になった杏(松下奈緒)は婚約者の佐倉(高杉瑞穂)と東京で暮らしていた。そして、同窓会に出席するため、数年ぶりにあの懐かしい故郷を訪れるのだった。初恋の人・大悟(井坂俊哉)が住む島根に...。

http://www.sunadokei-movie.jp

松下奈緒さんのコラムはママDo!本誌で詳しくご紹介しています。

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